事 務 連 絡 平成29年5月29日
都道府県
各 指定都市 社会福祉法人担当課(室)御中 中 核 市
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課
社会福祉協議会における退職共済事業の会計処理に関する基本的な考え方について
社会福祉法人制度改革の実施については、日頃より格別のご協力をいただき、感謝申し 上げます。
さて、社会福祉法人の会計処理につきましては、「社会福祉法人会計基準」(平成 28 年 3 月 31 日付け厚生労働省令第 79 号)に基づき実施されることとなっておりますが、社会福 祉協議会(以下「社協」という。)が実施する退職共済事業の会計処理については、専門 技術的な事項であること等により、現在は、社会福祉法人会計基準による取扱いが定めら れておらず、各社協の判断等により会計処理を実施しています。
しかしながら、当該会計処理についても、社会福祉法人の財務規律の強化等を内容とす る先般の法人制度改革の趣旨を踏まえて取扱いを整備すべきであり、また、会計監査人に よる監査が実施される場合であっても支障が生じないよう、退職共済事業に関しても、一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め ら れ る 会 計 処 理 の ル ー ル に よ る 統 一 的 な 取 扱 い が 必 要 と な っ て いま す。
このため、平成 29 年度より特定社会福祉法人において会計監査人による監査が実施され ることを契機に、今般、日本公認会計士協会、全国社会福祉協議会とも協議を行い、別添 のとおり「社会福祉協議会における退職共済事業の会計処理に関する基本的な考え方につ いて」(以下「基本的な考え方」という。)として、一定の整理を行ったところでありま す。
よって、所轄庁においては、管内の社協のうち、平成 29 年度より会計監査人を設置する 社協が実施する退職共済事業の会計処理については、この「基本的な考え方」を踏まえて 実施していただくよう指導願います。また、退職共済事業を実施するその他の社協につい ても、同一事業を実施する各社協間の公平を図り、かつ、社会福祉法人会計基準の基本原 則に沿った会計処理を実施する観点から、今後、関係者のご意見を伺いつつ、関係省令等
を改正する予定であるため、対応可能な社協については、平成 29年度決算より、この「基 本的な考え方」を踏まえて実施することを念頭に周知願います。併せて、退職共済事業の 事業区分における取扱いについては、従来、その取扱いが統一されていませんでしたが、 今般の整理にあわせて「公益事業区分」として計算書類を作成する取扱いとしていくよう 周知いただくようお願いします。
さらに、「基本的な考え方」については、全国社会福祉協議会より都道府県、指定都市 社協に対して通知していることを申し添えます。
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平成 29 年 5 月 26 日
社協における退職共済事業の会計処理に関する基本的な考え方について
全国社会福祉協議会
社協において実施する退職共済事業については、歴史的な経緯や実施内容等に異なる部分 もあり、これまで会計処理に関しては統一的な考え方が示されてこなかった。
しかしながら、今般の改正社会福祉法の施行に伴い、一定規模の法人には会計監査人の設 置が義務づけられたことから、退職共済事業を行う社協に会計監査人が設置された場合、会 計監査の拠り所となるルールがないために、適正な監査手続きが進められないことが懸念さ れる。
そのため、本会では、会計監査人の設置を予定している社協における退職共済事業の会計 処理の実情を踏まえつつ、社会福祉法人会計基準の考えに沿った共通的なルールを提示すべ く、厚生労働省ならびに日本公認会計士協会との協議をもとに、以下のとおり基本的な考え 方を整理した。
1 退職共済事業の位置づけ
○ 社協が実施する退職共済事業は、各法人(加入者)が、あらかじめ定められた就業規 則、労働協約等に基づき役員もしくは使用人に支払う退職金等の原資について、社協 を経由し、金融機関等が運用を行うものである。
○ 給付の最終リスクの引き受け手は加入者であり、運用損益も加入者に帰属する。
○ そのため、社協は、加入者から預託された資産とその他の資産を区別して管理し、運 用状況等について、加入者に明示、報告しなければならない。
○ 上記の位置づけは、各社協の退職共済規程等に明記される。
2 会計処理における基本的考え方
○ 社協における退職共済事業の会計処理については、これまで社会福祉法人会計基準に おいて定めがなく、会計の区分、会計処理、勘定科目等に関して統一的な処理が行わ れてこなかった。
○ 統一的な会計処理等を示すことにより、会計監査において適正性を確認することが可 能となり、一層の財務状況の透明性の確保が期待されるものである。
○ 以上のことから、各社協における本事業の規模や位置づけ等を踏まえつつ、主な会計 処理及び留意点について整理した。
3 会計処理に関する留意事項
(1)特別会計の取扱い
○ 平成 23 年に策定された社会福祉法人会計基準(改正社会福祉法により省令化)にお いては、社会福祉法人が行うすべての事業に関する会計に適用することとされ、また、 法人全体の財務状況を明らかにし、外部への情報公開に資する観点から、原則として 法人全体の計算書類から除外する特別会計の設置は認めていない。
○ このため、社協においては生活福祉資金貸付事業を除き、特別会計は設けず、区分経 理が必要な事業については、拠点区分として明確に区分することが必要となる。
(2)会計処理変更初年度の取扱い
○ 現在適用している会計処理から本文書による会計処理に変更することにより、会計 処理の相違から、計算される会計数値に差異が生じる場合には、変更前の会計年度に
(別添)
生じていた収益又は費用、収入又は支出については、各区分にそれぞれ処理するので はなく、特別増減の部(その他の特別利益又はその他の特別損失)及びその他の活動 による収支(その他の活動による収入又はその他の活動による支出)において、以下 の中科目をもって表示することにより対応することとする。
事業活動計算書:
退職共済会計処理変更に伴う過年度修正損、退職共済会計処理変更に伴う過年度修正益 資金収支計算書:
退職共済会計処理変更に伴う過年度修正支出、退職共済会計処理変更に伴う過年度修正収入
4 仕訳について(退職共済事業にかかる仕訳のうち特徴的なもの)
① 掛金の受入 仕訳1)掛金分
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 負債 支払資金 その他の活動収入
大区分 流動資産 固定負債 その他の活動による収入
中区分 現金預金 退職共済預り金 退職共済預り金収入
※掛金の受入は預り金の受入として整理されるため、事業活動による収支に含めず、その 他の活動による収支区分に表示する。なお、中区分に退職共済預り金収入の科目を設定 し、預り金の受入額を明瞭に表示する。
仕訳2)事務費分(掛金とは別に事務費分を徴している場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 サービス活動収益 支払資金 事業活動による収入
大区分 流動資産 退職共済事業収益 退職共済事業収入
中区分 現金預金 事務費収益 事務費収入
※事務費分については、サービス活動収益、事業活動による収入とし、掛金分の受入額と 明確に区分することにより、事務手続業務のための収入であることを明瞭に表示する。
※掛金とは別に事務費分を徴収することはせず、仕訳3により信託銀行に預け入れた掛金
(退職共済事業管理資産)から必要額を取り崩して事務費に充当する場合は、この仕訳 は行わず、「②事務費の支出」の仕訳2を行う。
仕訳3)掛金の信託銀行等への預け入れ
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産 その他の活動支出 支払資金
大区分 固定資産
(その他の固定資産)
流動資産 その他の活動による支出
中区分 退職共済事業管理資産 現金預金 退職共済事業管理資産支 出
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※預託された資産とその他の資産を区分して管理する責任があり、預託資産は自由に使用 できないことから、預かった資産(掛金)については、退職共済事業管理資産として計 算書類上明確に区分表示する。
② 事務費の支出 仕訳1)事務費の支出
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 サービス活動費用 資産 事業活動による支出 支払資金 大区分 退職共済事業費用 流動資産 退職共済事業支出
中区分 事務費 現金預金 事務費支出
※事務費支出については、サービス活動費用、事業活動による支出とすることにより、サー ビス活動増減差額および事業活動資金収支差額に事務手続業務の収支を明瞭に表示する。
仕訳2)事務費の支出に伴う退職共済事業管理資産の取崩及び退職共済預り金の事務費収 入への振替(積立資産退職共済事業管理資産から取崩して事務費に充当している場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産 支払資金 その他の活動収入
大区分 流動資産 固定資産
(その他の固定資産)
その他の活動による収入
中区分 現金預金 退職共済事業管理資産 退 職 共 済 事 業 管 理 資 産 取 崩収入
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 負債 サービス活動収益
大区分 固定負債 退職共済事業収益 中区分 退職共済預り金 事務費収益
※仕訳2は、掛金と別に事務費分を徴収せず、退職共済事業管理資産から必要額を取崩し て事務費に充当している場合に限る(その他の場合は不要)。
③ 掛金(預り金)の返還
仕訳1)掛金(預り金)の返還分
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 負債 資産 その他の活動支出 支払資金
大区分 固定負債 流動資産 その他の活動による支出 中区分 退職共済預り金 現金預金 退職共済預り金返還支出
※掛金の受入れと同様、掛金(預り金)の返還は、事業活動による支出に含めず、その他 の活動による支出とする(信託機関等から直接返還する場合も上記の処理とする)。
仕訳2)掛金(預り金)の返還に伴う退職共済事業管理資産の取崩
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 資産 支払資金 その他の活動収入
大区分 流動資産 固定資産
(その他の固定資産)
その他の活動による収入
中区分 現金預金 退職共済事業管理資産 退 職共済事 業管理 資産取崩 収入
※仕訳1と同様の考えにより、事業活動による収支には含めない。
④ 退職共済事業管理資産にかかる決算時の評価 仕訳1-①)時価評価(評価益の場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 資産 サービス活動外収益
大区分 固定資産
(その他の固定資産)
その他のサービス活動外収益
中区分 退職共済事業管理資産 退職共済事業管理資産評価益
仕訳1-②)時価評価(評価損の場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 サービス外費用 資産 大区分 その他のサービス外費用 固定資産
(その他の固定資産) 中区分 退 職 共 済 事 業 管 理 資 産 評
価損
退職共済事業管理資産
仕訳2-①)時価評価に伴う退職共済預り金の繰入(評価益の場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 サービス活動外費用 負債 大区分 その他のサービス活動外費用 固定負債 中区分 退職共済預り金繰入額 退職共済預り金
仕訳2-②)時価評価に伴う退職共済預り金の戻入(評価損の場合)
貸借対照表及び事業活動計算書 資金収支計算書
借方 貸方 借方 貸方
区分 負債 サービス活動外収益
大区分 固定負債 その他のサービス活動外収益 中区分 退職共済預り金 退職共済預り金戻入額
※満期保有目的の債券(満期まで所有する意図をもって保有する債券をいう。以下同じ。) 以外の有価証券のうち、市場価格のあるものについては、会計年度の末日においてその
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時の時価を付さなければならないとされているため、退職共済事業管理資産がこれに該 当する場合には時価評価をする。
※退職共済事業管理資産は使用者からの預り金であり、社協は退職共済事業管理資産と同 額の返済義務を要するため、退職共済預り金を退職共済事業管理資産と同額とし、返済 義務を明瞭に表示する。なお、事業活動計算書においては、サービス活動外収益、費用 として表示する。